1.テンションとは?
「テンション」とは入門編で解説した「セブンス」に、さらに3度上の音を足していった音です。
「C」のコードで「テンション」を足していくと以下のようになります。
「テンション」は、この「9th」「11th」「13th」の3種類に分けられます。
この「9th」「11th」「13th」の音のいずれか、もしくは複数を元のコードと同時に鳴らすことで、「テンション」という名前のとおり「コード」に「緊張感」を与えられます。
今回は、このうち、もっとも使いやすいテンション「9th」について解説していきます。
2.ナインスの種類
通常、単純に「9th」と言ったらセブンスの音も鳴っているのが前提になります。
「C9」
と書くと、以下の音が鳴ることになります。
これが基本系です。
響きはこんな感じ。
C7にさらに緊張感の加わった感じが伝わりますでしょうか?
「C9」は「C7(9)」「C7/9」などと表記される場合もあります。
また「9th」は「9th」は「メジャーセブンス」と一緒に使っても美しく響きます。
C調における「C」のセブンスは「メジャーセブンス」ですから、こちらの方が使いやすいかもしれません。
「Cメジャーセブンスナインス」を楽譜で書くと
となります。
響きはこんな感じ。
CM7の都会的な響きにさらに9thのきらびやかな感じが加わった微妙なニュアンスです。
Cメジャーセブンスナインスは「CM7(9)」「Cmaj7(9)」「C△7(9)」「Cmaj7/9」などと表記されます。
また9thはセブンスの音を省いて3和音にナインスの音だけを追加した状態で鳴らしてもOKです。
楽譜で書くと
となります。
このセブンスの音を省いて9thの音だけを加えたコードをアドナインスと呼んでいます。
響きはこんな感じ。
「メジャーセブンス」の少し濁った響きがなく「9th」のきらびやかな響きだけが残ってとても聴き心地が良いですね。
表記は「C add9」と書きます。場合によっては「C/9」などと表記される場合もあります。
さらに9thはマイナーコードとも一緒に使えます。
Dm7を例に「9th」の音を加えるとこうなります。
響きはこんな感じ。
マイナーセブンスの悲しくも美しい響きの中に緊張感の加わった微妙なニュアンスです。
マイナーセブンスナインスは「Dm9」「Dm7(9)」「Dm7/9」などと表記されます。
またマイナーセブンスもセブンスの音を省略できます。
楽譜で書くと
となります。
この状態を「マイナーアドナインス」と言います。
響きはこんな感じ。
悲しさの中に緊張感のある微妙なニュアンスです。
マイナーアドナインスの表記は「Dm add9」「Dm(9)」「Dm/9」などと表記されます。
いままで見てきたナインスの音を、C調のダイアトニックコードの音として追加できるものを全部挙げると
CM7(9)
C add9
Dm9
Dm add9
FM7(9)
F add9
G9
G add9
Am9
Am add9
の10種類になります。
いずれもとても良く使われているコードです。
3.ナインスのサンプル
「9th」を多く含む「コード進行」にメロディーをのせたサンプルを用意しました。
いかかでしょうか?
「9th」を使うと、ちょっとエモい感じになります。
いつもの「ダイアトニックコード」にさらにエモい感じを加えたい場合は「9th」を加えてみましょう。
4.まとめ
この章のまとめです。
まとめ
【1】テンションは9th,11th,13thがある。コードに緊張感を与える。
【2】9thはメジャーコードにもマイナーコードにも使える。
【3】9thはマイナーセブンスともメジャーセブンスとも一緒に使える。
【4】9thはセブンスを省いた状態でも使える。セブンスを省いた場合はアドナインスという。
【5】9thを使うとエモい感じになる。
はじめてのテンション「9th」いかがでしたでしょうか?
テンションを使うといつものコードに緊張感が加わり微妙なニュアンスを伝えることができます。
特に「9th」は響きがきれいで用途も多いので、色々と試してみてください。
きっとエモい感じの加わった良い曲になると思います。
次回は「サブドミナント」の変化系「サブドミナントマイナー」について解説していきます。